Keith Jarrett Trio "All The Things You Are" (1996, Tokyo) / Transcription 3

1、2に引き続き、今日はピアノソロの2コーラス目をアップロードします。

左手は怪しい箇所が多いですが、おおむねこのような和音のはずですというものを記しています。




コーラスの頭は中音域を滑らかに上下するインサイドなフレーズから始まります。
2小節目の最後の音に注目すると、Bbminの第三音としての役割と、次の小節のA7の第三音としての役割との両方を持っているとみなせ、さらにそれぞれの小節の中のフレーズは、各コードから自然に想定されるスケールに完全にインサイドになっています。

9小節目からのフレーズでは、半音階で短く上行するというモチーフが何度も現れます。14小節目と16小節目もモチーフの展開です。

また、コーラスの頭の8小節と次の8小節は、8小節をひとかたまりとしたフレーズになっています(それ自体が曲のテーマなのではないかと思わせるほどに自然で口ずさみたくなるメロディです)。それが、16小節目からは、8小節単位ではない短く不規則なフレーズに変わり、その意外性によってまた聴く側はハッとさせられます。4小節単位、8小節単位ではないような展開を作って、原曲の構造を換骨奪胎することもアドリブの一つの面白さだと思います。このコーラスの最後の12小節についても、音域が上がって折り返してくる箇所が様々な拍の位置になっており、緊張感があります。



ピアノソロはあと1コーラスです。近々投稿したいと思います。




6月の演奏予定の方もよろしければご覧下さい↓

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