Keith Jarrett Trio "All The Things You Are" (1996, Tokyo) / Transcription 4

今日はピアノソロのラストコーラスです。







コーラスの始め、2小節目の後半から3小節目にかけて見ると、3小節目のEb7の裏コードのA7と、それに付随したツーファイブ Em7→A7 が2拍先取りされています。
このような先取りや、逆に遅らせるアイデアはいろいろなところに見られますが、Bセクション(2ページ目)冒頭のAm7→D7→Gのツーファイブワンでも、左手の和音は G に解決せず、D7(b9) のような和音で終わっており(GM7(#5)と捉えることもできると思いますが)、右手のラインも少し解決を遅らせている(むしろ解決せず次のF#m7につなげている)ように感じます。

また、コーラスの9小節目の4拍目裏では、一度 B13≒F7(#9) のようなボイシングが聴かれます。これは一つには、Cm7 Fm7 Bb7... という4度進行を全てドミナント7thの連続として処理したものという説明ができます。この曲のAセクションの冒頭をドミナント7thの連続にする、というアイデアはそれ自体はそれほど奇抜ではありませんが、意外な変化を付けられて面白いと思います(このアイデアは1980年のPat Metheny GroupのAll The Things You AreでのLyle Maysのソロの中にも出てきます)。


これでピアノソロは終わりですが、バースなどもゆっくり取っていきたいと思います。




6月の演奏予定の方もよろしければご覧下さい↓

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