Kurt Rosenwinkel "Inner Urge" (Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel) / Transcription 3

この記事の続きで、この動画の Kurt Rosenwinkel のギターソロのうち、最後の9~12コーラス目の部分です。


9コーラス目は高い音域から始まっていて、またF#m7(b5)でナチュラル9thの音を使っています。同音連打のフレーズも特徴的です。
二段目のFM7(#11)では、Gのメジャーペンタを意識させるようなフレーズを弾いています。スケールの根音を含まないペンタトニックでのフレーズづくりという意味でも面白いと思います。
三段目では8分音符3つずつを一区切りにした下降形のアルペジオの繰り返しがあります。3つ割りと普通の2の倍数のフレーズの組み合わせで面白いアクセントの連続ができているよい例だと思います。


休符を多用したフレーズが多くて管楽器のソロのようです。


一段目はコードが変わっても音形の一番上の音は全て G# になってて示唆的です。実際この4つのコード上の(リディアン)スケールにはずっと G# = Ab の音が含まれているので、このアイデアはいろいろ使えると思います(この4つのスケール全てに共通して含まれる音は C# と G# のみです)。
最後のコーラスは爆発して終わります。

12コーラスのソロを全体的にみると、どのフレーズも、大きく跳躍していたとしてもそのトップノートはスムーズに動いていたり、コードが変わってもトップノートは変わらなかったりなどしていて、歌いやすいラインだと思います。また、跳躍の少ないところでの8分音符4つ単位などでの音形のバリエーションの豊富さもさすがだなぁと思わせられます。
音形だけ真似するとか、リズムだけ真似するとかでも十分にいろんなことを学ばせてくれるソロだと思います。

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