Kurt Rosenwinkel "Inner Urge" (Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel) / Transcription 2

この記事の続きで、この動画の Kurt Rosenwinkel のギターソロのトランスクリプションのうち、5~8コーラス目の部分です。

今日はページごとに短いコメントをつけてみます。


5コーラス目の2小節目には全音よりも広い跳躍での前打音があります。ここ以外にも何カ所かで見られ、カートの特徴的なフレージングの一つのようにも思います。
三段目のEbM7(#11)では2小節目に大がかりなアウトフレーズが聞こえます。ここではBM7(#11)ないしはEM7(#11,#15)のような響きだ、ということにしておきます。
四段目のDbM7(#11)の3小節目はDb7(#11)のようなフレーズになっています。Lydian一発でのこのようなアイデアはわりと自然かつ面白いと思います。


6コーラス目の12-15小節目あたりでは Bb の音の同音連打が聴かれます。映像を見ると、異なる弦で同じ音を交互に弾いているのですが、五線譜ではそれは表現できなかったので譜面に記すことは諦めました。
各コーラスの17小節目以降の、小節ごとにコードが変わるところで、フレーズ上いつ次のスケールにうつるか、というのは一つのポイントとしてあると思いますが、6コーラス目の17,18小節目では4拍目に次のコードを先取りしています。

7コーラス目冒頭ではまたm7(b5)の上でナチュラル9thを弾いています。
3段目ではEbM7(#11)のアッパーストラクチャーの F メジャートライアドで少しお茶目なフレーズを弾き、最後の小節でまた少し香りをEbに戻しています。
4段目(の特に3,4小節目)の音形は少しバッハを連想させます。


このあたりになると音域がかなり広くなってきます。また跳躍の大きい前打音やフレーズも多いです。
8コーラス目の2段目のフレーズなどはかなり跳躍があります。
前にも何度か出てきましたが、「ラシラシ」や「ミファミファ」のようなフレーズが随所に見られ、これもカートの特徴的なフレーズかもしれません。



のこりの4コーラスは細かい連符が多くて楽譜が真っ黒ですが、後日まとめて上げたいと思います。

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