トランスクリプションのリンクをまとめました。
Chick Corea "Got A Match?" ("The Chick Corea Elektric Band")
https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/chick-corea-got-match-chick-corea.html
Herbie Hancock's Piano Solo in "Long Come Tutu" ("Givin' It Up" by George Benson & Al Jarreau)
https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/george-benson-al-jarreau-long-come-tutu.html
Keith Jarrett Trio "All The Things You Are" (1996, Tokyo)
Piano Solo:
1:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/keith-jarrett-trio-all-things-you-are.html
2:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/keith-jarrett-trio-all-things-you-are_8.html
3:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/keith-jarrett-trio-all-things-you-are_12.html
4:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/keith-jarrett-trio-all-things-you-are_14.html
Intro:
https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/keith-jarrett-trio-all-things-you-are.html
Kurt Rosenwinkel "Inner Urge" (Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel)
1:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/kurt-rosenwinkel-inner-urge-peter-beets.html
2:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/kurt-rosenwinkel-inner-urge-peter-beets_26.html
3:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/06/kurt-rosenwinkel-inner-urge-peter-beets_28.html
Lyle Mays "Chorinho" ("Street Dreams")
Piano Solo:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/lyle-mays-chorinho-street-dreams-piano.html
Lyle Mays "Highland Aire" ("Lyle Mays")
Piano Solo:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/08/lyle-mays-highland-aire-lyle-mays-piano.html
Pat Metheny Group "Better Days Ahead" ("Letter From Home")
Guitar Solo:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/pat-metheny-group-better-days-ahead.html
Pat Metheny "Lakes" ("Watercolors")
Guitar Solo:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/pat-metheny-lakes-watercolors-guitar.html
Pat Metheny "Watercolors" ("Watercolors")
Guitar Solo:https://otohitofusepiano.blogspot.com/2019/07/pat-metheny-watercolors-watercolors.html
Kurt Rosenwinkel "Inner Urge" (Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel) / Transcription 3
この記事の続きで、この動画の Kurt Rosenwinkel のギターソロのうち、最後の9~12コーラス目の部分です。
9コーラス目は高い音域から始まっていて、またF#m7(b5)でナチュラル9thの音を使っています。同音連打のフレーズも特徴的です。
二段目のFM7(#11)では、Gのメジャーペンタを意識させるようなフレーズを弾いています。スケールの根音を含まないペンタトニックでのフレーズづくりという意味でも面白いと思います。
三段目では8分音符3つずつを一区切りにした下降形のアルペジオの繰り返しがあります。3つ割りと普通の2の倍数のフレーズの組み合わせで面白いアクセントの連続ができているよい例だと思います。
休符を多用したフレーズが多くて管楽器のソロのようです。
一段目はコードが変わっても音形の一番上の音は全て G# になってて示唆的です。実際この4つのコード上の(リディアン)スケールにはずっと G# = Ab の音が含まれているので、このアイデアはいろいろ使えると思います(この4つのスケール全てに共通して含まれる音は C# と G# のみです)。
最後のコーラスは爆発して終わります。
12コーラスのソロを全体的にみると、どのフレーズも、大きく跳躍していたとしてもそのトップノートはスムーズに動いていたり、コードが変わってもトップノートは変わらなかったりなどしていて、歌いやすいラインだと思います。また、跳躍の少ないところでの8分音符4つ単位などでの音形のバリエーションの豊富さもさすがだなぁと思わせられます。
音形だけ真似するとか、リズムだけ真似するとかでも十分にいろんなことを学ばせてくれるソロだと思います。
ある音列を含むシンメトリカルスケールの簡潔な表記
数式を用いた音の集合の表記の話題です。この記事の続きになります。
少し話を整理します。まず、音全体の集合を$T$とおきました。すなわち、
\[
T = \{ C, C^{\#}, D, D^{\#}, E, F, F^{\#}, G, G^{\#}, A, A^{\#}, B \}
\]です。
また、$T$の要素を、「長三度離れている音どうしは同じグループに属する」というルールで分別したものを$T_{\mathrm{AUG}}$と書いていました:
\[
T_{\mathrm{AUG}} = \{ \{C, E, G^{\#}\}, \{C^{\#}, F, A\}, \{D, F^{\#}, A^{\#}\}, \{D^{\#}, G, B\} \}
\]これは4つの要素からなる集合です。
そして、$T$から$T_{\mathrm{AUG}}$へ、自然な写像$p_{\mathrm{AUG}}$を定義しました。これは、「音に対して、その音を含むグループを対応させる写像」です。
さて、ここでは次のような問題を考えます。
少し話を整理します。まず、音全体の集合を$T$とおきました。すなわち、
\[
T = \{ C, C^{\#}, D, D^{\#}, E, F, F^{\#}, G, G^{\#}, A, A^{\#}, B \}
\]です。
また、$T$の要素を、「長三度離れている音どうしは同じグループに属する」というルールで分別したものを$T_{\mathrm{AUG}}$と書いていました:
\[
T_{\mathrm{AUG}} = \{ \{C, E, G^{\#}\}, \{C^{\#}, F, A\}, \{D, F^{\#}, A^{\#}\}, \{D^{\#}, G, B\} \}
\]これは4つの要素からなる集合です。
そして、$T$から$T_{\mathrm{AUG}}$へ、自然な写像$p_{\mathrm{AUG}}$を定義しました。これは、「音に対して、その音を含むグループを対応させる写像」です。
さて、ここでは次のような問題を考えます。
あるコードが与えられたとき、そのコードを含む最も小さいシンメトリカルスケールは何か?
ショパン『幻想ポロネーズ』に登場するディミニッシュスケール 1
ショパンの楽曲には、様々な意味で、ジャズのアドリブにも通じるような面白い音使いが随所に現れていると思います。特に、ディミニッシュにおけるモチーフの機械的な展開はとても興味深い上にバリエーションも豊富で、かつショパンに特有の香りも感じさせてくれ、ショパンの作品を特徴付けるものの一つになっていると言えるかもしれません。
この記事ではそのようなものの中から、モチーフの展開とは少し違いますが、いわゆる「ディミニッシュスケール」があからさまに現れている箇所を扱います。
ディミニッシュスケールはシンメトリカルスケールの一種で、そのような文脈での使用はメシアンら以降に顕著なのかもしれませんが、ディミニッシュスケール自体はもっと以前、たとえばショパンの作品にも数多く登場します。
ショパンの晩年の作品、『幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61』の128小節目からの4小節間は下のようになっています(エキエル版を元に Finale で打ち込んでいます)。
この記事ではそのようなものの中から、モチーフの展開とは少し違いますが、いわゆる「ディミニッシュスケール」があからさまに現れている箇所を扱います。
ディミニッシュスケールはシンメトリカルスケールの一種で、そのような文脈での使用はメシアンら以降に顕著なのかもしれませんが、ディミニッシュスケール自体はもっと以前、たとえばショパンの作品にも数多く登場します。
ショパンの晩年の作品、『幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61』の128小節目からの4小節間は下のようになっています(エキエル版を元に Finale で打ち込んでいます)。
該当箇所を弾いたものです↓
Kurt Rosenwinkel "Inner Urge" (Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel) / Transcription 1
以下の動画(Inner Urge | Peter Beets Trio with Kurt Rosenwinkel)は結構有名でもあると思いますが、カートのソロが(いつも通り)信じられないぐらいすばらしいので一時期よく聴いていました。ギターソロは全部で12コーラスありますが、4コーラスずつ記事にしたいと思います。
A Child is Born と ネガティブハーモニー
A Child is Born というスタンダードの冒頭のコード進行は
となっています。Ebm のところは Ebm6 = Cm7(b5) としてもよいでしょう。
この進行について一つ言えることを記したいと思います。
突然ですが、通常のドミナント進行、たとえば G7→C という進行の音程の関係を全て上下ひっくり返して「ネガティブ側」にうつしてみると、IIm7(b5)→Im となります。
つまり、G7→Cは下の図のような進行ですが:
BbM | Ebm/Bb | BbM | Ebm/Bb
となっています。Ebm のところは Ebm6 = Cm7(b5) としてもよいでしょう。
この進行について一つ言えることを記したいと思います。
突然ですが、通常のドミナント進行、たとえば G7→C という進行の音程の関係を全て上下ひっくり返して「ネガティブ側」にうつしてみると、IIm7(b5)→Im となります。
つまり、G7→Cは下の図のような進行ですが:
これの音程の関係を全て上下逆転させれば下のようになります:
ここで、P4は完全四度、M3は長三度、m3は短三度などを表しています。half tone は半音です。
よって、たとえば Dm7(b5)→Cm のような進行は、「ポジティブ側」のドミナント進行に比するようなある種重要な和音進行だと言えます。
minilogue xd と Lyle Mays のシンセリード
最近KORG社のアナログシンセサイザー minilogue xd を購入しました!
これまでも、KORGのアナログモデリングデジタルシンセのKingKORGや、YAMAHAのFMシンセ、reface DX などはもっていましたが、アナログシンセを持つのは初めてのことで、それだけでもかなりうれしいものがあります。
しかもこのシンセはいろいろといじれる部分が多く、また先代の minilogue に比べて Multi Engine など様々な点で更に進化しており、ずっと触っていても飽きません。音もかなりよいように思います。内蔵のエフェクターもすばらしくて、単音を延ばし続けていろいろいじっていくだけでかなりいろんな表現ができます。
さて、このシンセはオシレーターが2つ(+Multi Engine)ついており、それぞれにピッチをいじることができます。
また、AMP EGと他にもう1つだけEGがついており、そのターゲットを「PITCH」「PITCH 2」「CUTOFF」の中から選べるようになっています。「PITCH 2」を選べば、2つのオシレーターの音のうち片方だけにEGをかけることができます。
これで思い出したのが、Lyle Mays が Pat Metheny Group の楽曲などでたくさん鳴らしているリコーダーのような爽快なシンセリードの音色です。
以前もあの音色について調べたことはあり、いくつかのサイトでその作り方を説明してくれてもいました。すなわちその作り方とは、
このときのパネルは下のようになっています。
これまでも、KORGのアナログモデリングデジタルシンセのKingKORGや、YAMAHAのFMシンセ、reface DX などはもっていましたが、アナログシンセを持つのは初めてのことで、それだけでもかなりうれしいものがあります。
しかもこのシンセはいろいろといじれる部分が多く、また先代の minilogue に比べて Multi Engine など様々な点で更に進化しており、ずっと触っていても飽きません。音もかなりよいように思います。内蔵のエフェクターもすばらしくて、単音を延ばし続けていろいろいじっていくだけでかなりいろんな表現ができます。
さて、このシンセはオシレーターが2つ(+Multi Engine)ついており、それぞれにピッチをいじることができます。
また、AMP EGと他にもう1つだけEGがついており、そのターゲットを「PITCH」「PITCH 2」「CUTOFF」の中から選べるようになっています。「PITCH 2」を選べば、2つのオシレーターの音のうち片方だけにEGをかけることができます。
これで思い出したのが、Lyle Mays が Pat Metheny Group の楽曲などでたくさん鳴らしているリコーダーのような爽快なシンセリードの音色です。
以前もあの音色について調べたことはあり、いくつかのサイトでその作り方を説明してくれてもいました。すなわちその作り方とは、
- 矩形波を複数のオシレーターから同時に出し、ローパスフィルターですこし丸い音にする
- EGを用いて、発音してすぐは音同士のピッチがずれていて、それがだんだん近づくようにする
というものです。矩形波ではなく三角波を利用してもよいように思います。
これを minilogue xd で再現するには、単純に二つのオシレーターから矩形波をだし、EGのターゲットを「PITCH 2」にして、EGをAttack 0、Decay を適度な値にして、ほんのわずかにオシレーター2のピッチだけ高く、もしくは低くすればよいです(低い方からしゃくりあげるのと高い方から低くするのと、本家がどっちなのかまでは詳しく見ていないので分かっていません)。
実際に作って、有名な"It's For You"の冒頭の部分を弾いてみました。
このときのパネルは下のようになっています。
Ab-Bb-C のような進行について
主にフュージョン以降のジャズなどで、Ab→Bb→C (全てメジャー)のような進行をよく見る気がします。
たとえば Kenny Garrett の有名な"Sing a Song of Song"。
これは E C D E という進行です。トライアド以外の音を入れるならばトニックのところをすこしブルージーにして E7 CM7(#11) D7 E7 のようにするのをよく聴く気がしますが、そこはいろいろな選択肢があるでしょう。
また、Maria Schneider の"Journey Home"にもそのような進行はたくさん出てきます。
たとえば下の動画の3'58''からのbackgroundなどはその進行のオンパレードです(D→E→F#、G→A→B)。
その他にも探せばたくさんあるはずです。
分析するならば、ある種のサブドミナントマイナーということになるのだと思います。すなわち、Cのキーでいうと、C minor のダイアトニックコードからの借用です。
少し違う言い方をして詳しく書くと、
C minor の平行調である Eb Major のサブドミナント→ドミナントである Ab→Bb をやったのち、Eb に解決せず、Ebの6度の和音であるCmに解決...と見せかけて、Cmにも解決せずに同主長調のトニックである C Major に解決する
という言い方ができると思います。
中心軸システムの図
まず、五度圏(circle of fifth)を考えます。Cを一番上に持ってきて、時計回りに1つ進むごとに完全五度上がるようにすると、図は下のようになります。
いまキーが C だったとします。このとき、Cはトニック(T)、Gはドミナント(D)、Fはサブドミナント(S)です。
また、Cの平行調であるA (minor)はトニック(T)であるとすると、同様に、Fと平行関係にあるDはサブドミナント(S)、Gと平行関係にあるEはドミナント(D)と捉えられます(このあたりは平行調の概念を持ち出さなくてもよいかもしれません)。
ここまでの様子を図にすると下の通りです:
この図を見ると、S-T-Dのパターンが繰り返されていることに気づきます。この繰り返しを五度圏全体に拡張すると、いわゆる中心軸システムと呼ばれるものが見えてきます。
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